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眠りコラム 2026.07.03
眠れない夜の原因は「メラトニン不足」かもしれない。睡眠ホルモンと寝具環境の深い関係

眠れない夜の原因は「メラトニン不足」かもしれない。睡眠ホルモンと寝具環境の深い関係

この記事の目次

メラトニンとは何か——「睡眠ホルモン」の正体
メラトニンが分泌されるしくみ——セロトニンとの関係
メラトニンの分泌を妨げる4つの要因
寝具環境がメラトニンの働きを支える
メラトニンの分泌を高める生活習慣
まとめ|快眠は「メラトニンが働きやすい環境」から

「ふとんに入ってもなかなか眠れない」「夜中に何度も目が覚める」「朝起きてもすっきりしない」——こうした睡眠の悩みを、疲れや年齢のせいにしていませんか。

じつは、その原因のひとつとして「メラトニン」という睡眠ホルモンの働きが乱れている可能性があります。メラトニンとは何か、どのようにして分泌が促されるのか、そして寝具環境がどのように関係するのかを、今回は詳しくご紹介します。

 

メラトニンとは何か——「睡眠ホルモン」の正体

メラトニンとは、脳の松果体(しょうかたい)から分泌されるホルモンです。「睡眠ホルモン」とも呼ばれ、夜になると分泌量が増えて体を休息モードへと切り替え、自然な眠気を引き起こす働きをします。

メラトニンの主な役割は次の3つです。

・ 体内時計(概日リズム)の調整:約24時間周期の生体リズムを整え、睡眠と覚醒のサイクルを安定させる
・ 入眠と睡眠維持のサポート:深部体温を低下させ、スムーズな入眠と中途覚醒の防止を助ける
・ 抗酸化作用:睡眠中に活性酸素を除去し、細胞のダメージを軽減する

メラトニンは「眠くなるスイッチ」のような役割を担っているため、その分泌が乱れると寝つきの悪さや睡眠の質の低下に直結します。

 

メラトニンが分泌されるしくみ——セロトニンとの関係

メラトニンの分泌には、「セロトニン」というホルモンが深く関わっています。セロトニンは日中に太陽光を浴びることで分泌が促され、精神的な安定や覚醒をもたらすホルモンです。そして夕方から夜にかけて、このセロトニンを原料としてメラトニンが生成されます。

つまり、昼間にしっかり日光を浴びてセロトニンを十分に作ることが、夜のメラトニン分泌の下準備になるのです。

1日のメラトニン分泌サイクル

時間帯 体内の状態 ポイント
起床後(朝) 光を受けてメラトニン分泌が抑制され、セロトニンが増加 朝日を浴びることで体内時計がリセットされ、覚醒モードへ移行
日中 セロトニンが活発に分泌される 日中の活動がメラトニンの原料を蓄積する時間になる
夕方〜夜 セロトニンからメラトニンへの変換が始まる 光刺激を減らすことでメラトニンの分泌がスムーズに増加
就寝中(深夜) メラトニン分泌が最大化 深部体温が低下し、深いノンレム睡眠が得られる
時間帯

 

メラトニンの分泌を妨げる4つの要因

現代の生活環境には、メラトニンの分泌を乱す要因が数多く存在します。

① 夜間の光——特にブルーライト

メラトニンの分泌は光によって強く抑制されます。特に、スマートフォンやパソコン、LEDが発するブルーライトは、太陽光に近い波長を持つため、夜遅くまで浴び続けると脳が「まだ昼間だ」と判断してメラトニンの分泌を止めてしまいます。就寝1時間前からは画面の使用を控えることが推奨されています。

② 不規則な生活リズム

毎日の起床・就寝時間がバラバラだと、体内時計のリズムが崩れ、メラトニンの分泌タイミングも乱れます。休日に遅くまで寝ることで体内時計がずれる「ソーシャルジェットラグ」も、平日の睡眠の質を下げる原因となります。

③ 加齢による分泌量の低下

メラトニンの分泌量は年齢とともに自然に減少します。40〜50代以降になると若いころと比べて分泌量が減り、寝つきが悪くなったり夜中に目が覚めやすくなったりします。これは生理的な変化であり、生活環境を整えることで一定程度の改善が期待できます。

④ ストレスと栄養不足

慢性的なストレスはセロトニンの分泌を低下させ、その結果としてメラトニンの原料が不足します。また、メラトニンの元となるセロトニンは、体内で合成できないアミノ酸「トリプトファン」から作られるため、偏った食事による栄養不足もメラトニン不足につながります。

 

寝具環境がメラトニンの働きを支える

メラトニンの分泌を整えるには、生活習慣の見直しと同時に、就寝中の環境を整えることが重要です。

就寝前の照明と寝室の明るさ

メラトニンは光に対して非常に敏感なホルモンです。就寝前の寝室の照明を暗くし、オレンジ系の暖色に切り替えるだけで、メラトニンの分泌を妨げずにスムーズな入眠を促せます。間接照明や調光機能付きのライトを活用するのも効果的です。

体温調節と寝具の素材——深部体温の低下をサポートする

メラトニンは深部体温を低下させることで入眠を促しますが、この体温調節には寝具の吸湿・放湿性が大きく影響します。蒸れやすい素材のふとんでは体温が下がりにくく、メラトニンの入眠促進効果が十分に発揮されません。

吸湿性・放湿性に優れた素材を選ぶことで、就寝中の体温低下を自然にサポートし、深い睡眠(ノンレム睡眠)へ移行しやすくなります。

素材 体温調節への効果 メラトニンへの好影響
羽毛 軽量で放湿性が非常に高く、余分な熱を逃がしやすい 深部体温の低下を妨げず、スムーズな入眠を助ける
羊毛(ウール) 吸湿・放湿性に優れ、寝床内の温湿度を自動調整 寝床内環境を安定させ、メラトニンが働きやすい環境を整える
綿(コットン) 吸湿性が高く、肌に馴染みやすい 寝床内の蒸れを抑え、中途覚醒を起こりにくくする
化学繊維 放湿性が低く、蒸れやすい傾向がある 体温が上がりやすく、メラトニンの効果を妨げることがある

枕の高さ——首の血行が睡眠の深さに影響する

枕の高さが体型に合っていないと、首や肩周りの血行が悪くなり、睡眠中の寝返りが増えます。寝返りが多いと睡眠が浅くなり、メラトニンが十分に働いていても深いノンレム睡眠に入りにくくなります。仰向けに寝たときに頸椎が自然なカーブを保てる高さの枕を選ぶことが、質の高い睡眠の基本です。

眠れない夜の原因は「メラトニン不足」かもしれない。睡眠ホルモンと寝具環境の深い関係

メラトニンの分泌を高める生活習慣

寝具環境を整えることに加えて、日常生活の中でメラトニンの分泌を促す習慣を取り入れることが効果的です。

朝にすること
・ 起床後は速やかにカーテンを開け、自然光を15〜30分浴びる(曇りの日でも有効)
・ 毎日同じ時間に起床し、体内時計のリズムを安定させる
・ 朝食にトリプトファンを含む食材を取り入れる(乳製品・卵・バナナ・大豆製品など)

日中にすること
・ できるだけ屋外で活動する時間を確保し、セロトニンの分泌を促す
・ 適度な運動(ウォーキングや軽い体操)で体内時計のリズムを整える

夜にすること
・ 就寝1〜2時間前からスマートフォン・テレビ・パソコンの使用を控える
・ 寝室の照明を暗く・暖色系にして、メラトニンの分泌を妨げない環境をつくる
・ 38〜40℃のぬるめの入浴を就寝2〜3時間前に行い、深部体温の低下を促す
・ 就寝・起床時間を一定にして、体内時計を乱さない

 

まとめ|快眠は「メラトニンが働きやすい環境」から

眠れない夜の原因は、意志の問題でも体質の問題でもなく、メラトニンが分泌されにくい環境や生活習慣にある場合がほとんどです。朝の光・日中の活動・夜の照明・規則正しいリズムといった生活習慣の見直しと合わせて、就寝中の体温調節を自然にサポートする寝具環境を整えることが、快眠への近道です。

ふとんや枕は、毎晩メラトニンが働く時間を直接サポートする存在です。素材の吸湿・放湿性や枕の高さが合っているかどうか、ぜひ一度見直してみてください。

寝具の素材選びや枕の高さ調整について、お気軽にスタッフにご相談ください。お客様の体質や睡眠の悩みに合わせた最適な寝具をご提案いたします。

 

【参照元】
睡眠ホルモン・メラトニンの効果とは?
https://brand.taisho.co.jp/contents/tsukare/36/