
この記事の目次
・冷えは「気・血・水(き・けつ・すい)」の巡りの乱れから
・体を冷やす生活習慣、していませんか?
・東洋医学が教える「温める」基本 ― 内側と外側から整える
・ふとんが変わると、体の温まり方も変わる
・今日からできる!おやすみ前の冷え対策
・“冷えない眠り”をつくるふとん選びのコツ
・まとめ:ふとんを変えれば、眠りが変わる
朝晩の空気がぐっと冷え込み始める11月が終わり、12月に入りました。
「最近なんだか疲れが抜けない」「手足が冷えて眠れない」――そんな不調を感じていませんか?
現代人に増えている“冷え”の悩み。
東洋医学では、冷えは単なる不快感ではなく、体全体のバランスを崩すサインだと考えられています。放っておくと、肩こり・むくみ・頭痛・不眠など、さまざまな不調の原因になることも。
今回は、東洋医学の考え方をもとに、体を内側からも外側からも温める「ふとん選び」のポイントをご紹介します。
冷えは「気・血・水(き・けつ・すい)」の巡りの乱れから
東洋医学では、人の体は「気(エネルギー)」「血(血液)」「水(体液)」の3つの要素で成り立っていると考えられています。
この3つがバランスよく巡っていれば健康が保たれますが、冷えによって巡りが滞ると、体の各所に不調が現れやすくなるのです。
たとえば、
• 手足の冷え → 末端まで血が届いていない「血の滞り」
• 顔のくすみ → 気の不足による代謝低下
• むくみやすい → 水の巡りの乱れ(“水滞”)
つまり、「冷え」は全身のエネルギー循環を鈍らせ、結果的に“万病のもと”になるというわけです。
体を冷やす生活習慣、していませんか?
「冷え」は季節や体質だけの問題ではありません。
日常のちょっとした習慣の積み重ねが、知らず知らずのうちに体を冷やしていることがあります。
• 朝ごはんを抜いてしまう
• 冷たい飲み物をよく飲む
• シャワーだけで済ませて湯船に浸からない
• 夜更かしやスマホの見過ぎ
• 薄着や通気性の悪い寝具で眠っている
どれも心当たりがある方は要注意。
これらの行動は体の深部体温を下げ、「冷え体質」を招く原因になります。特に就寝時の冷えは、睡眠の質に直結します。
東洋医学が教える「温める」基本 ― 内側と外側から整える
体を温めるには、「内側」と「外側」両方のケアが欠かせません。
🌿 内側を整える温活
1. 食事:しょうが、ねぎ、黒ごま、にんにく、味噌などの“陽性食品”を意識して摂る。
2. 呼吸:深呼吸やゆったりした腹式呼吸で“気”の巡りをよくする。
3. 心のケア:ストレスや不安は自律神経を乱し、体を冷やす原因に。リラックス時間を確保しましょう。
🛏 外側から温めるケア
1. 衣服・寝具で保温環境を整える
2. 湯船に浸かって体の芯を温める
3. 室内の湿度を50%前後に保つ
中でも、「寝具」は毎日6〜8時間、体を預ける場所。
体を休めながら温める、最も効率的な“温活アイテム”なのです。

ふとんが変わると、体の温まり方も変わる
東洋医学では、リラックスしているときに「陽の気」が高まり、血流がスムーズに巡ると考えます。
つまり、「心地よく眠る」こと自体が、冷えの改善につながるのです。
🍂 体を包み込む掛けふとん
遠赤外線効果のある天然素材(ウール・シルクなど)や、軽くて暖かい羽毛ふとんがおすすめです。
特に羽毛ふとんは空気をたっぷり含むため、体をふんわり包み込みながら熱を逃がしにくい構造。寝返りしても温かさを保ちます。
🍂 じんわり温かい敷ふとん
体の下から冷えを感じる場合は、敷ふとんの保温性がカギ。
湿気を逃しながらも熱を蓄えるウールや高反発タイプの敷ふとんは、体圧を分散しながら底冷えを防ぎます。
また、冷え性の方は電気毛布よりも「蓄熱素材」や「遠赤外線繊維」を使用した敷パッドが安心です。電気の過度な乾燥を避け、自然な温もりで眠れます。
🍂 重ねすぎないことがポイント
ふとんを何枚も重ねると、一見暖かそうに見えますが、実は体の動きを妨げて血流を悪くしてしまうことも。
大切なのは「空気の層を作る」こと。
軽くて保温性の高い素材を選び、体の周囲に適度な空気を抱え込むことで、温かく快適な睡眠環境が生まれます。
今日からできる!おやすみ前の冷え対策
眠る前のちょっとした習慣で、体温の下がりすぎを防ぐことができます。
1. 寝る1時間前に軽くストレッチ
筋肉をほぐし、血行を促すことで体が温まりやすくなります。
2. 湯船に10分つかる
38〜40℃のお湯にゆっくり浸かると、自律神経が整い深い眠りへ導かれます。
3. 温かいふとん・カバーでリラックス
肌触りのよい綿やシルク素材のカバーを選び、静電気を防ぐのも冷え対策に。
4. 朝起きたら日光を浴びる
体内時計がリセットされ、自然と代謝が上がります。
「寝る前に温め」「寝ている間に守り」「朝に整える」――この3ステップを意識するだけでも、冷えに強い体へ近づきます。
“冷えない眠り”をつくるふとん選びのコツ
ふとん選びの基本は「保温」「放湿」「軽さ」のバランスです。
• 保温性:体温を逃さず、朝まで温かさをキープ
• 放湿性:汗や湿気を外に逃がして蒸れを防止
• 軽さ:寝返りを妨げず、血流を妨げない
特に女性や高齢の方は冷えを感じやすいため、保温力の高い羽毛ふとんやウール敷ふとんの組み合わせがおすすめ。
また、ふとんカバーを季節ごとに替えるのも効果的です。冬はフランネルや起毛タイプ、春先は綿サテンなど通気性の良い素材に切り替えましょう。
まとめ:ふとんを変えれば、眠りが変わる
冷えは、一朝一夕に治るものではありません。
でも、毎晩使うふとんを見直すだけで、体の温まり方・眠りの深さ・翌朝の目覚めが確実に変わります。
1日の3分の1を過ごす寝具環境は、まさに「体を整える時間」。
心地よい眠りは、冷えを改善し、免疫力を高め、心の安定にもつながります。
この冬は、ただ“眠るためのふとん”ではなく、“体を癒やすためのふとん”を選んでみませんか?
冷え知らずの温かな眠りが、あなたの毎日を支えてくれるはずです。


