〜放っておいていいいびきと、そうでないいびきの見分け方〜

この記事の目次
・そもそも、いびきはなぜ起きるのか
・いびきには「種類」がある——3つのタイプを知る
・見逃しやすい「危険なサイン」を知っておく
・寝具からできる「いびき対策」
・パートナーのいびきが気になるとき
・まとめ|いびきは「眠りからのメッセージ」かもしれない
「いびきがうるさいと言われた」「自分のいびきで目が覚めてしまった」「隣で寝ているパートナーのいびきが気になって眠れない」——いびきにまつわる悩みは、身近なようで意外と正確に知られていないものです。
実は、いびきには「放っておいても問題ないもの」と「眠りの質に深く影響しているもの」があります。その違いを知っておくことで、対処のしかたも変わってきます。今回は、いびきの種類とその背景を整理しながら、眠りを守るためにできることをご紹介します。
そもそも、いびきはなぜ起きるのか
いびきは、眠っているときに何らかの理由で気道(空気の通り道)が狭くなり、そこを空気が通る際に生じる振動音です。起きているときは筋肉の緊張で気道が開いていますが、睡眠中は筋肉が弛緩するため、気道が狭くなりやすくなります。
気道の狭さに影響する要因には、肥満による首まわりの脂肪、仰向けで寝ることによる舌の落ち込み、枕の高さによる首の角度、扁桃腺の肥大、鼻づまりなどがあります。つまり、いびきは体の構造・姿勢・生活習慣が複合的に絡み合って起きる現象です。
いびきには「種類」がある——3つのタイプを知る
いびきは大きく「一時的なもの(散発性)」と「毎晩かくもの(習慣性)」に分かれ、習慣性いびきはさらに3つのタイプに分類されます。
【散発性いびき——一時的なもの】
疲れがたまったとき、お酒を飲んだとき、風邪で扁桃腺が腫れたときなど、特定の状況で一時的にかくいびきです。原因が解消されれば自然に治まることが多く、健康上の大きな問題にはなりにくいとされています。「最近飲み会が続いたからかも」「疲れがひどいと出やすい」という感覚に当てはまる方は、このタイプの可能性があります。
【単純いびき——毎晩かくが睡眠への影響が少ないもの】
毎晩いびきをかくものの、途中で目が覚めることはほとんどなく、睡眠の質への影響が少ないタイプです。「いびきはかくが朝はすっきり目覚められる」という場合は、このタイプに近い可能性があります。ただし、体重の増加や姿勢の変化によって徐々に悪化することもあるため、定期的に状態を確認しておくことが大切です。
【睡眠に影響するいびき——要注意のもの】
気道が高度に狭くなり、呼吸がしにくい状態が続くタイプです。夜中に何度も目が覚めたり、睡眠中に呼吸が止まってしまう(無呼吸)状態が繰り返されたりします。このタイプは睡眠の質が大きく低下するだけでなく、血液中の酸素不足が起き、体への負担も増します。「眠っているはずなのに朝起きると疲れている」「夜中に何度も目が覚める」という方は注意が必要です。
見逃しやすい「危険なサイン」を知っておく
いびきが睡眠時無呼吸症候群(SAS)などの病気に関わっている場合、以下のようなサインが現れることがあります。自分では気づきにくいため、パートナーや家族に確認してもらうことが大切です。
• 周りの人が起きるほどの大きないびき
• 自分のいびきや息苦しさで夜中に目が覚める
• いびきが突然止まり、しばらくしてからあえぐように再開する(無呼吸のサイン)
• 日中に強い眠気や倦怠感がある
• 集中力が続かない、仕事や日常生活でミスが増えた
• 朝起きたときに頭痛がしたり、疲れがとれていない感覚が続く
これらのサインが複数当てはまる場合は、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。睡眠時無呼吸症候群は放置すると高血圧・心臓病・脳卒中・糖尿病などの生活習慣病リスクとも深く関わるとされており、早めの受診・検査をお勧めします。かかりつけ医への相談や、睡眠・いびきの専門外来への受診が適切な対処につながります。

寝具からできる「いびき対策」
医療的なケアが必要ないびきでも、寝具や寝姿勢の見直しで改善できる部分があります。特に「単純いびき」や「軽度の習慣性いびき」には、日常の工夫が効果を発揮しやすいです。
【枕の高さを見直す】
枕が低すぎると頭が沈んで気道が折れ曲がり、いびきが出やすくなります。逆に高すぎると顎が引きすぎて気道を圧迫します。仰向けに寝たとき、顎が少し引けた自然な角度になる高さが理想です。長年同じ枕を使っている方は、中材がへたって本来の高さが失われている可能性があります。枕の高さを見直すだけでいびきが軽減したという声は、意外と多くあります。
【横向き寝をサポートする寝具を使う】
仰向けで寝ると舌が喉の方に落ち込んで気道が狭くなりやすくなります。横向きで眠ると気道が開きやすくなり、いびきが出にくくなる方が多くいます。横向き寝を安定させるには、体のカーブに沿って支えてくれる敷き寝具と、頭・首・肩をしっかりサポートする枕の組み合わせが大切です。「横向きで寝ようとしても気づくと仰向けに戻っている」という方は、抱き枕や横向き専用枕を活用するのも効果的です。
【寝室の乾燥に注意する】
乾燥した空気は喉の粘膜を乾燥させ、いびきを悪化させることがあります。特に冬場の乾燥しやすい季節には、加湿器で寝室の湿度を50%前後に保つことで喉への負担を軽くできます。快適な寝床内湿度を保てる吸湿・放湿性の高い寝具を選ぶことも、間接的にいびきの軽減につながります。
パートナーのいびきが気になるとき
いびきは、かいている本人より隣で眠るパートナーのほうが悩んでいるケースも少なくありません。「いびきで目が覚めて眠れなくなった」「別の部屋で眠るようになってしまった」という声も、お客様からよく聞かれます。
パートナーのいびきで眠りが妨げられている場合、耳栓や防音効果の高い寝室づくりで対処する方法もありますが、根本的な解決には本人のいびきの改善が必要です。「いびきをかいているよ」とパートナーに伝えるとともに、前述のサインがある場合は医療機関への受診を促すことが大切です。
なお、ふたりで並んで眠るとき、それぞれの体格や寝姿勢に合った敷き寝具・枕を使うことも、より快適な環境づくりにつながります。「ダブルベッドを使っているが、枕は別々のほうがいいですか?」という質問もよくいただきますが、枕は個人の体型に合わせたものを選ぶのが基本です。
まとめ|いびきは「眠りからのメッセージ」かもしれない
散発性いびきは一時的なもので大きな心配は不要ですが、毎晩かくいびきは睡眠の質に影響している可能性があります。夜中に何度も目が覚める・自分のいびきや息苦しさで目覚める・いびきが止まって再開するといったサインがある場合は、睡眠時無呼吸症候群の可能性も考えられます。日中の眠気や集中力の低下が続く場合は、医療機関への相談を検討してください。
一方、枕の高さの見直しや横向き寝のサポートなど、寝具からできる対策もあります。「いびきが気になっているけれど、どこから手をつければいいかわからない」という方は、まず寝具を見直すことから始めてみてください。
枕の高さや横向き寝を支える寝具のご相談も、どうぞお気軽にお声がけください。おふたりそれぞれに合った眠りの環境づくりを、スタッフ一同お手伝いします。
【参照元】
睡眠時無呼吸症候群(SAS)がもっとよくわかる話
https://659naoso.com/special/column_sas/


